ヨウ素事業IODINE BUSINESS

ヨウ素とは?WHAT IS IODINE

ヨウ素は、ヨードとも呼ばれるハロゲン属の元素です。当社グループは、天然ガス事業に次ぐ第2の事業として、天然ガス採取の際に汲み上げられる地下水(かん水)からヨウ素を製造しています。ヨウ素の用途は、うがい薬やレントゲン造影剤、殺菌・防かび剤の原料や、農業分野でも使用され、最近では、液晶の偏光フィルム等のハイテク分野でも活用されています。しかし、残念なことに日本のヨウ素利用は、ヨウ素を原料として輸出し、加工された付加価値のある製品を輸入していることが多いのが現状です。そこで、この状況を打開すべく、ヨウ素利用研究の振興、利用産業の育成を目的として、1998年6月に「ヨウ素利用研究会(2007年7月にヨウ素学会に改称)」が産・官・学の協力により発足し、国際シンポジウムの開催等、精力的に活動を展開しており、当社グループも同学会の活動に積極的に参加し、ヨウ素の新たな可能性を追求しています。

ヨウ素

ヨウ素

製品化されたヨウ素

製品化されたヨウ素

ヨウ素学会のwebサイト

健康のために必要なヨウ素IODINE REQUIRED FOR HEALTH

健康のために必要なヨウ素

ヨウ素は、天然ガス採取の付随水であるかん水に含まれているハロゲン属の元素で、私たちの生存、成長に不可欠な生理作用を持っており、人体の必須元素です。日本は海に囲まれた島国であるため、海藻や魚介類から必要量のヨウ素を摂取できますが、内陸の国等、海産物の摂取の少ないところでは、ヨウ素の不足による発育不全等、ヨウ素欠乏症に苦しんでいる人々もいます。当社は事業の第2の柱として、ヨウ素の製造を行っており、その大部分は海外へ輸出しています。ヨウ素は、資源の乏しいわが国が世界に向けて輸出できる貴重な国産資源であり、南米のチリとともに、日本(大部分が千葉県)が世界の主要な生産国となっています。

ヨウ素欠乏症とは

ヨウ素の歴史HISTORY OF IODINE

ヨウ素の歴史

1811年、フランスのBernard Courtoisは、海藻灰から硝石を作る作業中に刺激臭を有する紫色の蒸気を発生させ、さらにその蒸気が冷えると金属光沢のある黒紫色の鱗片状物質になることを発見しました。彼からその物質の研究を託された彼の友人は、1813年に研究結果を世に発表。これがヨウ素の歴史の始まりでした。

ヨウ素の歴史

翌1814年、同じくフランスのGey-Lussac,Joseph Louisの研究により、この物質は塩素と同様の性質を示す元素であることが分かり、ギリシャ語で紫色を意味するiodesに因んでiodeと命名されました。

ヨウ素の歴史

この年、さっそく工業的な製造が開始され、1816年には医薬用殺菌消毒剤として用いられたことが報告されています。その後も医薬だけにとどまらず広く工業分野にも利用されてきました。

ヨウ素の歴史

わが国においてヨウ素製造が本格的に事業化されたのは、明治20年(1887)以降のことです。その後、明治27~28年(1894~95)の日清戦争、明治37~38年(1904~05)の日露戦争および大正3~7年(1914~18)の第一次世界大戦による特需により、千葉県を中心にヨウ素事業の発展が一時見られました。しかしながら、昭和5年(1930)に発生した昭和恐慌や、昭和16年(1941)に勃発した太平洋戦争を受けて、衰退しました。再びヨウ素事業が賑わったのは、昭和25年(1950)に勃発した朝鮮戦争による特需で、世界的に需要がひっ迫するなか、千葉県のヨウ素は輸出産業として脚光を浴びることとなりました。当社は昭和12年(1937)に子会社を通じてヨウ素事業に進出し、試行錯誤と紆余曲折を経て、昭和44年(1969)にヨウ素事業を本格化しました。現在では世界有数の生産者として、その地位を確立しています。

ヨウ素の用途USE FOR IODINE

ヨウ素の用途割合

ヨウ素の用途として、私たちの生活に身近なものでは、うがい薬やレントゲン造影剤、殺菌剤、防かび剤の原料等に使われ、その他では工業用触媒や農業分野でも使用されています。さらに最近では、液晶パネルの偏光フィルム等のハイテク分野でも活用されています。

ヨウ素の用途

レントゲン造影剤

レントゲン造影剤

ヨウ素は、優れたX線吸収能力を持っています。これを利用して、血管や各種臓器の医療診断の際のレントゲン造影剤として利用されています。

殺菌・防かび剤

殺菌・防かび剤

ヨウ素が本来保有する抗微生物作用を利用して、殺菌・防かび剤に用いられています。一般的には、うがい薬や消毒薬等がよく知られています。

液晶関連

液晶関連

テレビやパソコン、携帯電話など様々な製品に使用される液晶パネルの偏光フィルムにヨウ素は利用されています。偏光フィルムは液晶パネルに不可欠であり、その市場は拡大しています。

飼料添加物、添加塩

飼料添加物、添加塩

人間、動物の生存、成長にヨウ素は不可欠であり、これが不足するとヨウ素欠乏症となり、発育不全等の機能障害を引き起こします。これを予防するため、飼料や⾷塩にヨウ素を配合して利用されています。

貴重な国産資源 ヨウ素PRECIOUS RESOURCE FOR JAPAN

日本のヨウ素生産量は南米のチリに次いで世界第2位であり、世界生産量の約30%を占めています。資源小国といわれる日本ですが、ヨウ素に関しては資源大国といえます。
さらに、その日本の生産量の約80%は千葉県で生産されており、当社グループでは国内産ヨウ素の約15%、
世界生産量の約5%を生産しています。
千葉県産のヨウ素は、様々な製品の原料として世界各国に輸出されており、日本が世界に誇る資源となっています。

全世界の5のヨウ素を生産。
世界有数の生産量・販売量を
誇っています。

世界のヨウ素生産量

世界のヨウ素生産量

ヨウ素はどこにあるの?

ヨウ素はどこにあるの?

ヨウ素は、海水や土壌に分布していますが、非常に低濃度であるためこれらからの生産は商業的には採算が合わず困難です。過去においては、海藻に濃縮されていることを利用し、海藻を原料として生産が行われていたこともありましたが、現在では、一部の油田やガス田のかん水、南米のチリ硝石からのように限られた地域でのみ生産されています。当社グループを含む日本のヨウ素メーカーが生産を行っている千葉県の南関東ガス田のかん水には、1kgあたり0.1g(100ppm)のヨウ素が含まれ、その埋蔵量は世界の約30%を占め、世界有数の鉱床となっています。

原料と性質RAW MATERIALS AND CHARACTERISTICS

当社グループが生産する天然ガスは水溶性であるため、採取時には地下水(かん水)とともに産出されます。かん水の塩分濃度はほぼ海水と同じですが、ヨウ素濃度が海水の2,000倍近くもあり、硫酸がほとんど含まれないなどの特徴があります。
ヨウ素は、デンプンと反応して紫色に代わる性質を持ち、昆布などの海藻に含まれる栄養分としてもよく知られている元素です。製品となったヨウ素は固体で、金属のように重く、黒紫色の光沢を帯びています。加熱すると比較的低い温度でも液化し、常温でもドライアイスのように昇華しやすく、特異な臭気があります。また、強い酸化力があるため多くのヨウ素化合物に加工され、様々な分野で利用されています。

かん水と海水の成分比較
項目 かん水(mg/l) 海水(mg/l)
ヨウ化物イオン l- 110~130 0.05
塩化物イオン Cl- 18,000〜19,500 18,230
臭化物イオン Br- 120 56.2
ナトリウムイオン Na+ 10,000 9,350
カリウムイオン K+ 300 356
カルシウムイオン Ca2+ 190 372
マグネシウムイオン Mg2+ 500 1,160
硫酸イオン SO42- 0 2,450
重炭酸イオン HCO3- 1,000 105
炭酸イオン CO32- - 5.9
遊離炭酸 CO2(Free) 10~30 -
アンモニウムイオン NH4+ 120 1.5
ホウ酸イオン HBO32- 10 21.9
全鉄 Fe(Total) 2~5 0.2
pH 7.9 8.2

参考文献:石油技術協会誌

精製ヨウ素

元素記号 l 比重4.93
原子番号 53(ハロゲン族) 融点 113.7℃
原子量 126.9 沸点 184.5℃

ヨウ素の作り方HOW TO PRODUCE IODINE

ヨウ素を作る2つの方法

ブローイングアウト法

ヨウ素の気化しやすい特性を利用した製造法で、高水温のかん水処理に適した製法です。まず、かん水中の砂や不純物を沈殿除去し、酸化剤を加えてヨウ素イオンをヨウ素分子に変化させます。次に、このかん水を、放散塔上部から散布すると、かん水中のヨウ素は空気中に気化します。そして、この空気を吸収塔へ吸引し、吸収剤と接触させることにより、ヨウ素を吸収、濃縮します。最後に、このヨウ素吸収液に塩素を加えて結晶を析出させ、一度溶解したうえで精製し、製品とします。

ブローイングアウト法の製造工程

イオン交換樹脂法

かん水中の砂や不純物を沈殿・ろ過で取り除き、さらに酸化剤を加え、ヨウ素イオンをヨウ素分子に変化させます。次に、このかん水を、イオン交換樹脂を充填した吸着塔に送り、ヨウ素を吸着させます。そして、ヨウ素を十分に吸着した樹脂を抜き出し、溶離塔に移して亜硫酸溶液でヨウ素を溶離し、その溶離液に塩素を加えてヨウ素の結晶を析出します。最後に、結晶を一度溶融して精製し、製品とします。

イオン交換樹脂法の製造工程

グループ会社の紹介
K&Oヨウ素株式会社

ガス事業を見る