気候変動対策への
取組みENVIRONMENT
大気汚染・温暖化の抑制
当社グループが生産する千葉県産の天然ガスは、メタンが約99%を占め、一酸化炭素や公害のもととなる硫黄分等をほとんど含まず、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や大気汚染の原因となる窒素酸化物の燃焼時排出量も石炭や石油に比べて圧倒的に少ない、クリーンなエネルギーです。
また、比重が軽いため、ガス漏れ等が万一発生しても、開放された場所であれば大気中に拡散してしまうので安全性が高く、発熱量が1m3あたり約39MJと高いため、都市ガスにそのまま利用可能でとても効率的です。さらに、生産された天然ガスはすべて千葉県内で消費されるため〔千産千消(地産地消)〕、海外から輸入される天然ガス(LNG)と比べると、生産や輸送のために排出される温室効果ガスが3分の1程度であり(当社グループ調べ)、非常に環境にやさしいエネルギーです。
燃焼時エネルギー別排出比較
CO2排出比較(1) | SOx排出比較(1) | NOx排出比較(2) |
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出典
- 1.IEA(国際エネルギー機関)「Natural Gas Prospects to 2010」(1986)
- 2.エネルギー総合工学研究所「火力発電所大気影響評価技術実証調査報告書」(1990.3)
千葉県産天然ガスLCI 比較
資源が生産から燃焼に至るまでに排出する二酸化炭素量
- ※( )内は、千葉県産天然ガスを1とした時の比率
- ※日本エネルギー経済研究所「わが国における化石エネルギーに関するライフサイクル・インベントリー分析」(1999)をもとに、当社グループにて試算
国産天然ガスの安定的な
生産・供給
2050年カーボンニュートラルに向けてのエネルギーの移行期を担う重要なエネルギーである天然ガスの生産者として、また、国内最大規模の水溶性天然ガスの生産者として、持続的に安定したガスの生産・供給を推進しています。
「中期経営計画2024」では、生産設備の整備・拡充の推進や経年井戸への新技術・新設備導入などにより、「国産天然ガス生産量1.9億m3/年(一般家庭用の約50万件分の使用量に相当(大多喜ガスの2024年の一般家庭用想定年間使用量を基に計算)」を目標に取組んでいます。
なお、当社グループが千葉県で生産している水溶性天然ガスの詳細は、当社グループで天然ガスの開発・生産を担っている関東天然瓦斯開発(株)のHPもご参照ください。
地熱井掘削の拡大や
再生可能エネルギー開発を
中心とした新規事業による成長
地熱井掘削工事のさらなる受注増加や地域特性に合った再生可能エネルギー開発を推進し、第3の事業として成長を図ります。
当社グループで長年培ってきた地下資源開発力と掘削技術力を活かして、地熱資源開発・地熱発電事業をはじめとする様々な再生可能エネルギー事業の開発を推進していきます。「中期経営計画2024」では、「再エネ開発件数5件」を目標に取組んでいます。
地熱井掘削リグ
再生可能エネルギー
カーボンニュートラルに向けた取組み
再生可能エネルギーの開発をはじめとして、カーボンニュートラルに向けた取組みを推進します。
「中期経営計画2024」では、カーボンニュートラルの実現に向けたスタートラインとして、国産天然ガスの高度利用やカーボンオフセットに資する各取組みを検討・実施しています。また、クレジットの活用を含めて「事務所のCO2排出量70%削減」にも取組みます。
カーボンニュートラルに向けたロードマップ(イメージ)
TCFD提言への取組み
ガバナンス
- 当社グループにとっての重要な社会課題=マテリアリティとして、「気候変動対策への貢献」、「自然環境の保全」などを特定しました。
- それらの課題にどのように取組むかを議論、検討のうえ、グループ経営理念の見直しを行い、「環境と調和し、地域社会と共生する事業を展開することで、持続可能な社会の実現に貢献」することを宣言しています。
- この新たな経営理念に基づき、グループ会社社長ほかをメンバーとするグループ経営執行会議、及び当社取締役会での議論を経て、気候変動リスクへの対策を含めた中期経営計画を策定しています。その進捗状況は、四半期ごとに当社取締役会に報告され、管理されています。
戦略
シナリオ分析
- 移行リスク/物理的リスク、機会の分析を国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook、及び気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のシナリオなどを用いて、炭素価格の推移、資源需給の動向、発電の電源別構成の予測データ、気候変動がもたらすインフラなどへの損害の発生可能性の度合いなどをもとに行いました。
気候変動に伴うリスク/機会の認識
分類 | リスク/機会項目 | 考察(リスク) | 考察(機会) |
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移行 | 炭素排出目標 | 規制が強化されることで、化石燃料の使用減少により、ガス・ヨウ素生産量の減少による売上減少。カーボンクレジットによる費用増加。 | 化石燃料の中ではCO2排出量が少ない天然ガスは2050カーボンニュートラルへの移行期を支えるエネルギーとして使用量が増加。 |
移行 | 炭素価格 | 炭素価格上昇で化石燃料が経済性を失い、需要が減少(≒ガス販売の減少)して、売上に影響。 | 炭素税市場の発展により、水素、CCU、分散化ユーティリティなど低炭素エネルギー市場で新たな機会が生まれる可能性がある。 |
移行 | エネルギーミックスの変化 | 化石燃料由来の発電割合が低下し、天然ガス・ヨウ素生産量が減少し、売上に影響。 | 再生可能エネルギーによる発電増加による新規事業拡大。 |
移行 | エネルギー需要の変化 | 化石燃料が忌避され、天然ガス・ヨウ素 生産量が減少し、売上が減少。 | 水素・CCU・分散化ユーティリティなど低炭素エネルギー市場で新たな機会が生まれる可能性。メタネーションなどの新技術の伸展 |
移行 | 省エネ政策 | ガス使用量の減少により、天然ガス・ヨウ素生産量が減少し、売上減少。 | 高効率・高付加価値ガス機器の普及によるガス利用の拡大。 |
物理的 | 異常気象の激甚化 | 生産設備、供給設備の損壊による供給支障による売上減少。災害対策のための投資額の増加。 | 気象災害によるエネルギー供給遮断に備えて、エネルギー源の多様化によるガス選択での売上の増加。設備のレジリエンスの強化。 |
スクロールできます
戦略
- 低炭素社会の促進に資する国産天然ガスの開発を推進し、環境優位性の高い天然ガスとして、拡販を図ります。
- 再生可能エネルギーを中心とした新規事業を推進します。
- 原料ガスのカーボンニュートラル対応、カーボンニュートラル電気の調達を進めます。
リスク管理
- 気候変動リスクに関する評価・管理は、中期経営計画の進捗を管理するなかで行っており、その進捗状況は、四半期ごとに当社取締役会に報告されています。また、毎年の具体的な実行計画をグループ経営執行会議、当社取締役会で議論のうえ策定し、状況の変化にも的確に対応しています。
指標と目標
- 当社グループは、これらの状況を踏まえて、次のとおり「中期経営計画2024」として、目標値を設定しています。(また、現在、温室効果ガスの排出量として、「スコープ1(直接排出量)」、「スコープ2(間接排出量)」を算定中です。)