環境に配慮した
開発への取組み
COMMITMENT

環境維持への取組みENVIRONMENTAL MAINTENANCE

取水・排水管理WASTEWATER MANAGEMENT

窒素排水規制への対応

天然ガスかん水には、窒素成分としてアンモニアが含まれており、赤潮等を引き起こす富栄養化の原因物質となるため、閉鎖性水域への排出についてはその濃度と排出量が法令で定められています。天然ガスかん水には高濃度の塩分が含有されており、一般的な窒素除去技術の適用が困難なため、現状では国産資源開発の重要性も配慮され、特別に暫定排水基準が設定されています。

窒素低減処理技術の研究

窒素低減処理技術アナモックス設備

県内の同業他社と共同で天然ガスかん水に適用できる窒素低減処理技術の研究を実施しています。現在は、アナモックス菌という微生物を利用した処理方法に取組んでいます。この方法は、従来の微生物処理法より効率的にアンモニアを無害な窒素ガスに変えることができる技術で、省エネルギー処理法として注目され、一般の下水処理での検討も始められています。熊本大学との共同研究で得られた成果をもとに、実用化に向けた連続処理実験を実施し、パイロット設備による実証試験を経て、2018年に実機を設置しました。

従来の窒素除去方法→アナモックス法による窒素除去方法

地盤沈下の抑制SUPPRESSION OF LAND SUBSIDENCE

地盤沈下抑制のための
取組み

地盤沈下抑制のための取組み還元井

わが国では、戦前から戦後にかけて工業用等の地下水採取に伴う地盤沈下問題が各地で発生し、千葉県でも1960年代前半から後半にかけて地盤沈下問題が顕在化しました。地盤沈下の原因は、地層の自然圧密、地下水・地下資源の採取、地殻変動等であるとされています。近年では千葉県内の地盤沈下は沈静化していますが、当社グループは、地下資源を開発する者の責務として、地盤沈下抑制のための取組みを行っています。

千葉県との
地盤沈下防止協定の締結

千葉県との地盤沈下防止協定の締結

天然ガス開発に伴う地盤沈下の抑制を目的として、1973(昭和48)年に千葉県と県内の天然ガス開発企業との間で地盤沈下防止協定が締結されました。その後、1981(昭和56)年からは、天然ガスかん水の地上排水量※の削減を骨子とする協定に全面改定され、地上排水量の限度量を設定する細目協定が5年ごとに改定・締結されています。当社グループは、今後も地盤沈下防止協定を遵守しながら、環境に配慮した開発・操業に努めてまいります。

  • 地上排水量とは、地下から採取した天然ガスかん水の量から、天然ガス等を分離した後のかん水を地下へ戻し入れた量を差し引いた水量です。

同業他社および大学等研究機関との共同研究

同業他社および大学等研究機関との共同研究全球測位衛星システム

当社グループは、県内の同業他社と共同で研究に取組んでいます。具体的には、人工衛星を利用した地盤沈下観測や、天然ガスかん水の開発に伴う地盤沈下予測計算等のテーマを扱っています。さらに、2006年からは東京大学との共同研究を開始し、より専門的な視点での技術課題に取組んでいます。これらの研究結果については、学会等に発表するとともに、千葉県や開発地域の市町村に随時報告し、地域の皆さまのご理解をいただきながら事業を進めています。